【記者発表】ぎゅうぎゅう詰めにされた粒子群の構造的特徴
粒子がぎゅうぎゅうに詰め込まれると、満員電車の中の人のように互いが押し合うことで身動きが出来なくなり、粒子の集合体は固体のように振る舞うことが知られています。今回、田中 肇 教授らの研究グループは、この状態にどのような構造的な特徴があるかについて、粒子個々の振動のしやすさ(粒子の周りの柔らかさ)を定量化することで明らかにしました。
ぎゅうぎゅう詰めにされた粒子の集合体は、固体のように振る舞うことが知られているが、今回、田中 肇 教授らの研究グループは、この状態にどのような構造的な特徴があるかについて、粒子個々の振動のしやすさ(粒子の周りの柔らかさ)を定量化することで明らかにした。ぎゅうぎゅう詰めにされた粒子の局所的な振動のしやすさを解析したところ、この量が他の場所の振動のしやすさと相関を持ち、しかもその相関が系のサイズよりも長い距離にわたるような、特殊な自己組織化していることが明らかとなった。この成果は、乱れた構造をもつ固体が弾性を持つ起源、さらには、外力がかかったときにどこから破壊が始るかなどについての重要な情報を与えてくれるとともに、粒子で形成された砂山の安定性や土砂の力学的な挙動の理解など様々な分野への波及効果が期待される。