災害対策トレーニングセンター(DMTC, Disaster Management Training Center)による新型コロナウイルス禍における災害対応の活動
新型コロナウイルス禍で、地震・津波、風水害などマルチハザードの対応が求められる。このような状況における災害対応は、様々なジレンマ(何かを選択すれば、何かを失う)があり、正解のない意思決定が繰り返される。そこで災害対策トレーニングセンター(DTMC)では、行政から地域住民まで災害対策に関わる方々の災害対応力向上に貢献するために、2020年3月から感染症の基本知識や新型コロナウイルス禍における災害対応のポイントについて、講義動画の配信、セミナーやオンライン研究会などを開催している。例えば、2020年4月から開催している「効果的な応援・受援に向けた災害対応の標準化研究会」では、研究会に参加している自治体職員や民間企業などの知見を活かし、災害対応工程管理システム"BOSS(Business Operation Support System)"を使い理想的な避難所運営の業務フローを構築し、その成果を2020年6月25日(木)に川崎市で実証実験するなど、研究成果を実務に活かす取り組みも行っている。2020年8月4日(火)には、川崎市で地域住民も交えた研修も行った。
今後もDMTCでは、リスクに関する基礎研究を進め、これをベースに行政、民間企業、地域住民など幅広い方々の災害対応力が向上するような活動をしていく。
(人間・社会系部門 准教授 沼田 宗純)
新型コロナウイルスに関連した活動一覧(2020年):
「効果的な応援・受援に向けた災害対応の標準化研究会」で構築した避難所運営業務フロー図(右図は、左図の一部を拡大したもの)
6月25日に川崎市で実証実験