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今井 秀樹 名誉教授 が令和6年秋叙勲 瑞宝中綬章を受章

 本学 名誉教授の今井 秀樹 先生が、令和6年秋の瑞宝中綬章を受章されました。先生は、昭和46年に本学大学院の博士課程を修了後、横浜国立大学を経て平成4年に本所に赴任されました。ご専門は符号理論、情報理論、暗号理論と情報セキュリティで、実際に用いられる技術を多数開発され、人材育成にもご尽力になり、情報通信社会の発展に大きく貢献されました。

 符号理論と情報理論においては、通信の主役が有線から無線及び移動体通信へ変遷する時代を先取りした先駆的研究で大きな成果をあげられました。とくに、携帯電話などまだ夢であった頃に携帯電話で必要になる基幹技術(携帯電話が直面する環境で、通話信号をどのように0と1だけから成る系列で表現して送受信すればよいかを定める理論と、その実現方法)を提案され、米国電気電子学会(IEEE)の情報理論ソサイエティGolden Jubilee賞を受賞されました。

 暗号理論と情報セキュリティ分野においては、高速に暗号化と復号をできる公開鍵暗号を提案し、暗号理論の一分野を形成されました。研究成果だけでなく、公開鍵暗号のトップ会議を立ち上げるなどした功績も認められ、国際暗号研究学会(IACR)からアジア人初のフェローの称号を受けられました。

 以上を含む多数の学会関係のご受賞に加え、今井先生には、放送・通信融合時代を牽引する技術の発展に多大に寄与したとして、日本放送協会から放送文化賞が授与されています。現在の私たちの日常生活は、先生の研究成果なくして成り立たないと言えるでしょう。

 今井先生は、本学を定年退職された後も、一般財団法人 生産技術研究奨励会の役員をなさるなど、本所を大いに支援して下さいました。このたびのご受章を心よりお慶び申し上げるとともに、ご健康と今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

(情報・エレクトロニクス系部門 教授 松浦 幹太)

今井 秀樹 名誉教授のコメント

R2_今井名誉教授写真.jpg 瑞宝中綬章受章の連絡をいただき、大変驚いております。これまでお世話になった生産技術研究所の多くの皆様に深く感謝申し上げます。また、長年にわたり支えてくれた妻にも心から感謝の意を表したいと思います。私が研究してきた内容が、後進の皆様や未来の社会に少しでもお役に立てていれば、この上ない喜びです。生産技術研究所の皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。長年にわたり大変お世話になり、誠にありがとうございました。

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