12月9日(月)、10日(火)の2日間にわたり、第9回となる本学と仏・高等師範学校エコール・ノルマル・スューペリユール(以下、ENS)との物理に関する交流ワークショップが、本所 セミナー室にてハイブリッド形式で開催されました。本ワークショップは、2013年に本学とENS物理学科の連携を深めるためにボトムアップ的にスタートしたもので、COVIDの時期を除いて毎年、本学とENSを交互に訪問し、双方から10名ずつ、計20名の研究者が最新の研究成果を紹介すると言う形で行っています。また、本交流の促進のために、本所はENS物理学科と部局間交流協定を結んでいます。さらに、昨年度からは若手の交流も重要と認識し、大学院生、博士研究員にも参加してもらい、発表する機会を設けています。
本ワークショップは、物理に関する様々な分野を包含するもので、今回も、固体物理、量子技術、光計測、トポロジー、熱流体、地球物理、統計力学など、様々な分野の講演がありました。ENSからは、Werner Krauth教授、Robson Ferreira博士、Matthieu Delbecq博士、Gauthier Krizman博士、Kris van Houcke博士(以上、会場参加)、Gerbold Menard博士、Xiangyu Cao博士、Francois Petrelis博士、Christophe Gissinger博士、Angela Vasanelli博士(以上、オンライン参加)らが講演されました。本学からは、6部局から教員が参加し、本所の芦原 聡 教授、野村 政宏 教授、理学系研究科の藤堂 眞治 教授、樺島 祥介 教授、安東 正樹 教授、工学系研究科の山本 倫久 教授、総合文化研究科の野口 篤史 准教授、先端科学技術研究センターの岩本 敏教 授、物性研究所の橋坂 昌幸 准教授、井手上 敏也 准教授らの講演がありました。さらに大学院生、若手研究者の講演がENSから1件、本学から2件ありました。パリからのオンライン参加では、8時間の時差のため早朝に講演頂いたENSの研究者の方々に感謝致します。
本ワークショップは、一般の国際会議とは異なり、気心が知れた友人同士の交流という性格を反映して、参加者の皆さんが未発表の最新データを持ち寄り、楽しく議論することを目的としています。物理というキーワードで、様々な分野の研究者が多くの部局から参加するユニークな取り組みですが、2つの研究機関の共同研究も進んでおり、今後もこのような活動を継続していきたいと思います。
なお、このワークショップの本学側の企画は、本所の平川 一彦 教授、理学系研究科の島野 亮 教授、工学系研究科の沙川 貴大 教授、総合文化研究科の福島 孝治 教授で行いました。またENS側の企画では、Werner Krauth教授、Gerald Bastard名誉教授に大変お世話になりました。
(情報・エレクトロニクス系部門 教授 平川 一彦)
ENS-東大との物理に関するワークショップ会場参加者の集合写真
ワークショップで講演するKrauth教授(左)と藤堂教授(右)