2021.06.16 プレスリリース 【記者発表】球形コロイド粒子の回転運動に迫る #東大生研 の田中 肇 教授、オックスフォード大学のデューレン ルール 教授らの共同研究グループは、これまで直接観察が困難であった球形コロイド粒子の回転運動に挑戦すべく研究を行い、高密度のコロイド分散系においてその観察に成功しました。本成果は、これまでほとんど解明されていなかった、高密度球状微粒子系における周囲粒子との相互作用下での局所的回転運動と、それが関わる様々な動的な現象の理解に新たな光を当てるものと期待されます。
2021.06.10 プレスリリース 【共同発表】生物多様性が気候変動問題の解決の鍵となる(発表主体:横浜国立大学) #東大生研 の竹内 渉 教授らの国際研究グループは、生物多様性と気候変動の問題の相互依存性を定量化した論文を発表し、地球温暖化を防ぐことで生物多様性を保全できれば、生物多様性による炭素吸収が進み、気候の安定化をさらに促進できることが分かりました。
2021.06.01 プレスリリース 【記者発表】Snを添加したIGZO材料を用いた三次元集積メモリデバイスを開発~機械学習ハードウェアの高エネルギー効率化へ期待~ #東大生研 の小林 正治 准教授らは、神戸製鋼所およびコベルコ科研と共同で、Snを添加した酸化物半導体IGZOを用いたトランジスタと強誘電体HfO2キャパシタを集積し、プロセッサの集積回路の配線層に混載可能なメモリデバイス技術の開発に成功しました。このメモリデバイス技術により機械学習をエッジデバイスにも実装することが可能になり、人工知能を用いたより高度で充実した社会サービスの展開が期待されます。
2021.05.25 プレスリリース 【記者発表】廃棄食材から完全植物性の新素材開発に成功 #東大生研 の酒井 雄也 准教授らは、コンクリートの4倍近い曲げ強度を有する、完全植物由来の新素材の製造技術を、世界で初めて開発しました。この素材は、原料の野菜や果物の色、香りや味を残すことも可能で、不可食部を含む植物性資源の有効活用や、地球温暖化ガスの抑制に繋がると期待されます。
2021.05.07 プレスリリース 【記者発表】ガラスのドミノ倒し的結晶化 一般に低温では分子運動が遅くなるため結晶化しにくくなるというのが常識ですが、時としてガラス状態にある物質が結晶化することがあります。田中 肇 東京大学名誉教授らのの共同研究グループはは、コロイド分散系の結晶化過程の一粒子レベルでの実時間観察と数値シミュレーションにより、どのような条件下で、またどのような機構で低温高速結晶化が実現するのかを明らかにしました。ガラスの結晶化(脱硝現象)の物理的機構が解明されたことで、結晶化の阻止のみならず、逆に高品質な結晶形成も可能になると予想され、様々な産業応用にも大きく貢献するものと期待されます。
2021.04.30 プレスリリース 【共同発表】電通大と東大の研究チームが東京都との共同事業を開始~IoT/SNSと建築学の融合による「換気向上プロジェクト」~(発表主体:電気通信大学) 電気通信大学 i-パワードエネルギー・システム研究センター 横川 慎二教授と #東大生研 野城 智也 教授の研究チームが、令和3年4月より「地域参加による換気の可視化~向上プロジェクト」を開始します。本事業は令和3年度「東京都と大学との共同事業」に決定され、東京都政策企画局の支援を受け実施するものです。
2021.04.23 プレスリリース 【共同発表】光を用いたスパイキングニューラルネットワークを実現~新しい脳型情報処理システムの実現をめざして~(発表主体:日本電信電話株式会社) 日本電信電話株式会社は、合原 一幸 東京大学特別教授と共同で、縮退光パラメトリック発振器(DOPO) を用いて、神経細胞の発火信号(スパイク)を模擬する人工光ニューロンを作成することに成功しました。
2021.04.14 プレスリリース 【記者発表】接着材料なしで砂同士を直接接着した建設材料の製造に成功~月面など地球外での建設への応用も期待~ #東大生研 の酒井 雄也 准教授は、セメントや樹脂などの接着成分を用いず、触媒を用いて砂同士を直接接着する技術を開発しました。製造温度は現状では240℃程度で、1000℃以上を必要とする溶融などによる方法と比べて大幅に温度の低減が可能です。必要な温度をさらに低減するための検討を進めており、エネルギー消費の低減、温室効果ガスの排出抑制が期待されます。
2021.04.02 プレスリリース 【記者発表】レンコン構造が細胞治療の鍵!? ~ヒトiPS細胞由来膵島移植による糖尿病マウスの血糖値正常化と移植片の回収に成功~ #東大生研 の竹内 昌治 教授らの研究グループは、直径6ミリメートルのレンコン状構造のハイドロゲルにヒトiPS細胞由来膵島をカプセル化した移植片を開発しました。作製した移植片を糖尿病モデルマウスに移植したところ、半年以上の長期にわたり血糖値が正常化しました。また、一年以上の移植後に移植片を癒着なく回収することに成功しました。移植片の構造やハイドロゲルの最適化により、ヒトへの臨床応用が期待されます。
2021.03.31 プレスリリース 【記者発表】広域洪水ハザードマップの主な誤差要因を特定~河川に流入する水量データの誤差低減が精度向上の鍵~ #東大生研 の山崎 大 准教授らの研究グループは、多段階の計算とデータ処理の結果導き出される「広域洪水ハザードマップ」の不確実性をもたらす主要な要因が、河川氾濫モデルへの入力となる流出量データにあることを突き止めました。入力流出量データの精度評価と選択をすることで、広域洪水ハザードマップの信頼性を大幅に改善できる可能性があります。洪水シミュレーションの高度化と、不確実性をもつ洪水リスク情報の扱い方の両面から研究を進め、洪水災害に対してレジリエントな社会の構築に貢献していきます。