2020.04.15 プレスリリース 【記者発表】有機超弾性結晶の発光クロミズム ~小さな力で分子配列を変換し発光色の可逆制御を有機結晶で実現~ #東大生研 の務台 俊樹 助教らは、機械的刺激による擬弾性的な結晶相変化により発光色が変化する「超弾性発光クロミズム」を示す有機超弾性体を見いだしました。分子性有機単結晶で超弾性発光クロミズムを初めて実証し、二色の発光の割合を任意に制御可能な新しい固体発光材料につながる成果を得ました。
2020.03.30 プレスリリース 【記者発表】液体は固体上をどのように滑るのか 固体の上を液体が流れるとき、ある流速を超えると液体が固体表面上をスリップしているように見える現象が知られていますが、今回、田中 肇 教授らのグループは、その機構を解明しました。長年の謎であった固体表面における液体のスリップの謎の解明に大きなインパクトを与えるだけでなく、流体輸送に伴うエネルギー損失の低減にも新たな指針を与えるものと期待されます。
2020.03.24 プレスリリース 【記者発表】AI画像認識アルゴリズムを搭載した光学顕微鏡を開発 ~ 原子層を積み重ねた新規材料開発を大幅加速 ~ 増渕 覚 特任講師と町田 友樹 教授は、AI画像認識を使って、光学顕微鏡像から目的のシート状の原子層を、全自動で探索する光学顕微鏡システムを開発しました。熟練の研究者が長時間かけて行っていた認識作業を、ほぼリアルタイムで、90%以上の確率で再現することが可能となり、希少な単原子層を使った複合原子層の作製が可能になりました。
2020.03.10 プレスリリース 【共同発表】原始細胞のモデルが特定の分子を内部に溜め込む新現象を発見 ~生命起源の謎「分子濃縮」に迫る~ (発表主体:東京大学大学院総合文化研究科) 竹内 昌治 教授らのグループは、原始細胞を模した人工のモデル細胞を数十個同時にデバイス上に捕捉し、溶液を流し入れ、モデル細胞の挙動を顕微鏡観察する自動実験装置を開発しました。特定の蛍光分子を含む水溶液を流し入れると、流し入れている間でのみ、モデル細胞がこれらの分子を内部に溜め込むことを見出しました。生命起源の謎に迫る新現象の発見であり、さらに、合成生物学の要素技術や分子ロボティクスの技術開発、新しい細胞治療法の開発への貢献も期待できます。
2020.02.12 プレスリリース 【記者発表】液体・液体相転移を解明する流体力学の理論モデルを確立 近年、純粋な物質の液体には1つの状態(液体相)しか存在しないという従来の常識に反し、構造の異なる2つの液体相が存在する可能性が指摘され、注目を集めています。今回、東大生研の田中 肇 教授、高江 恭平 助教のグループは、2つの液体相の間で行き来が起きる「液体・液体相転移」現象の流体力学理論を構築しました。
2020.02.06 プレスリリース 【記者会見】がれきから土木/建築材料へ、植物がコンクリートを蘇らせる ~セメント不要、副産物なしの循環利用を実現~ 東大生研の酒井 雄也 講師、株式会社バイオアパタイト、大野建設株式会社の研究グループは、コンクリートがれきと廃木材を粉砕して混合し、加熱しつつ圧縮成形することで、それぞれが融合した新たな土木/建築材料として、コンクリートがれきをリサイクルすることに成功しました。リサイクルコンクリートは、既存のコンクリートよりも数倍高い十分な曲げ強度を示しました。
2020.01.31 プレスリリース 【記者発表】液体の水の中には2種類の構造が存在する ~水の特異性をめぐる長年の議論に決着~ 水のさまざまな異常性の起源については、1世紀以上にわたり長年論争が続いてきました。その理由は、液体の水の構造に関する深い理解の欠如にありました。今回、田中 肇 教授らのグループは、水の構造に関するシミュレーションと実際の水のX線散乱実験データの解析により、液体の水の中に2種類の構造が存在する直接的かつ決定的な証拠を見出しました。
2020.01.21 プレスリリース 【記者発表】多種類でかつ短時間の観測データでも高い精度で将来を予測 ~洪水などの自然災害をはじめとして様々な予測に応用へ~ 東大生研の奥野 峻也 民間等共同研究員らの研究チームは、これまでの人工知能(AI)による予測技術では困難であった、多種類かつ短時間のデータから将来を予測する数理的手法を開発しました。
2020.01.16 プレスリリース 【記者会見】観測の困難な海底下における「ゆっくりすべり」を検出 ~南海トラフ地震発生過程の解明に前進~ 東大生研の横田 裕輔 講師と海上保安庁の石川 直史 火山調査官の研究グループは、南海トラフ巨大地震震源域の海底下における新たな「ゆっくりすべり」を検出しました。
2019.12.23 プレスリリース 【記者発表】コロイドの結晶化に溶媒の運動は寄与するか? ~有力仮説を覆し、長年の未解決問題に手がかり~ コロイド系の結晶核形成頻度には、数値シミュレーションと実験の間に十桁にも及ぶ相違が見出されており、その有力な原因として、従来のシミュレーションに「溶媒の流れの効果が取り入れられていないため」という説がありましたが、田中 肇 教授らの研究により、その可能性が明確に否定されました。